学術出版の行方

dun (2010年1月31日 14:04)|コメント(0)| トラックバック(0)

 しばらく前から、たけくまメモがそのエントリーのいくつかを費やして、マンガをめぐる出版システムの将来を構想していました。たとえば、最新の話は電子出版をめぐってのものでした。

「輸出産業」などともてはやされるマンガも大変なようですが、ながらく「輸入産業」などと揶揄されてきた人文社会系研究の学術出版は、さてどうなんでしょう。

 個人的な体験ですが、生協書籍部をふらふらしていて、何気なく「月刊言語」を手に取りました。言語学の一般向け雑誌としてはメジャーかつ老舗であるこの雑誌ですが、最近は背表紙のタイトルを見て買うかどうか決めていました。

 最新号は昨年の12月号。目次を読むとすべての連載が最終回を迎えており、特集もなんかしんみりしている。最終ページをめくると、「休刊」の2文字が。だいぶ前から報道はあったようですが、寡聞にして知りませんでした。残念なことです。

 版元である大修館も厳しいのでしょうが、そういう中でも「学びの認知科学事典」といった好企画も生まれている。

 一般的に言って、ナイスな企画を実現させるには、相当のノウハウ、人脈、そして知識と知恵もつ編集者という基盤が必要でしょう。学術出版社の社会的な役目にはそういう人材を育てることもあるのではと思います。このような基盤は大切な財産ですから、絶対にしっかりと残していただきたいし、私もおよばずながらそのお手伝いをしたいと思っています。(だから、「事典」は買いますよ)

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障害者イズム

dun (2010年1月30日 14:01)|コメント(0)| トラックバック(0)

 DVDを借りてきて観た。

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 脳性麻痺による身体障害をかかえた3人の方々が自立生活をしたいと奮闘し、実際に自立生活を送る日々を追ったドキュメンタリー。

 自立支援の文脈で観ると、役所との対立という図式はとても分かりやすくて、実際に本作でもそういう場面(たとえば、年金に生活保護を足せるかどうか、とか)は多々出てくる。

 でも、本当に嫌ったらしいのは役所なんかじゃなくて、本作がこういう形で世に出ることも含めて、うすーく社会に漂う何かである。それが何かは分からないが。

 観ていてとても気になったのは、自立生活を送ったときの食事である。うまそうなもん食ってない。レトルトのカレーを袋ごとトースターで温めて、「爆発しないように見張ってるんです」というのはもう。栄養があってうまいものを腹一杯食べてもらいたいと強く思った。

 が、当の本人にとっては、そんなことどうでもいいんだろうなとも思った。「自分の意志でそういう食事を選んで食べている」という実感の方がとても大事なんだろうな。自立前の生活では、施設にせよ、家庭にせよ、そもそも「食べるものを選ぶこと」そのものがかなわなかったわけで。

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ごーやちゃんぷる

dun (2010年1月29日 13:57)|コメント(0)| トラックバック(0)

 いろいろあって、大学を出るのが遅くなった。

 地下鉄南北線の平岸で降りて、てくてくと住宅街のなかをあるくと、電光掲示板にあかあかと「沖縄料理」と出てくる。「ごーやちゃんぷる」である。

 おばあがやっている沖縄料理居酒屋。2~3カ月に1度くらい顔を出す。

 たまに顔を出すといつもカラオケの宴会をしているのでそこに混じって大騒ぎをしているうちに深夜過ぎて次の日は午前中使い物にならなかったりする。そんなところである。

 今日は新人2名がカウンターでまじめな話をしている脇で、他に常連さんがめずらしくいないのでおばあとゆっくりと話す。

 ビール、泡盛。お総菜、おでん、手羽先、「すば」。「これあけちゃって」と泡盛のボトル1本出してくれる。

「さーたーあんだーぎー」の話になって、「おばあのは食べたことがない」と言うと、「じゃ、作ってあげる」。

 卵と小麦粉を混ぜてぱぱぱっと作ってくれた。むっちゃくちゃうまい。本当にうまい。

「これ食べたらほかのは食べられないさー」とおばあが誇らしげである。

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学問と社会

dun (2010年1月28日 13:55)|コメント(0)| トラックバック(0)

 自分の子どもに、大学に入ってほしいかどうかを(だいぶ先取りして)考えたときに、正直なところ「どちらでもいい」と思う。

 それよりも、社会のなかで義理人情しがらみ云々を抱えながらきちんと本分を果たしてほしいと思う。

 よくよく考えると、大学という場所は社会とそりが合わないところである。「学問の自由」を本当にとことんまでつきつめれば、どうしても反社会的にならざるを得ないこともあるからだ。

 実際、ある時代まで大学はそうとう反社会的な場所だった。今では助成金をめぐってだいぶ牙を抜かれてはいるが、その「ウリ」である学問にはそもそも反社会性が内在しているのだからその牙はまだどこかで眠っているはずである。

 ついでながら言えば、ある時代までは小学校だってそうとうに反社会的な場所だったはずだ。家業の一番忙しい時期に働き手を閉じこめておくことは、共同体の運営にとっては痛手だったはずである。

 では、だからと言って大学が学問という手段で現在の社会に背くことなく奉仕すればよいかと言うとそれもまたまずいのではないかと思う。社会を対象化、目的化することには全体主義という危険性がつきまとうからだ。ちょっとばかり自分が賢いと思っている人が社会に影響力を与えるような実権をにぎるとろくなことにならないというのは歴史をひもとけば分かる。

 何を書いているのか分からなくなってきたが、要は、地に足をつけて自分のできることを精一杯やってほしい、その上で周りの人を少しずつ幸せにしてあげてほしい、ということである。

 そのために学問や大学が必要となるならそれでもいい。そうでなければ行かなくていい。それだけのことである。

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ぷんすか

dun (2010年1月26日 13:52)|コメント(0)| トラックバック(0)

 最近のアマネは、ちょっと自分の意志が通らないことがあると、すぐにふてくされる。

 ふてくされ方がおもしろくて、両手の甲を左右それぞれの腰に当てて、口をとがらせて頬をふくらませ、目をつぶる。

 最後の目をつぶる、というのはなぜだかよく分からないが、手や口や頬の形は、「ぷんぷん怒っている人」の漫画的な表現そのものである。

 そうやって怒っている大人は我が家にはいないし、そういう人を周囲で見たことがない。誰から学んだのだろうか。

 あ、もしかすると、保育園の先生か。ああいうポーズで「めっ」と怒られてるのかな。

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Sentence first--verdict afterwards

dun (2010年1月22日 13:50)|コメント(0)| トラックバック(0)

 パブリックドメインになって400円で売られていたディズニーの「アリス」のDVDをアマネが気に入ってよく観ている。

 トランプの女王がアリスに向かって「判決が先、評決はあと!」と叫ぶのを聞き、足利事件と同じかもしれないと思った。

'Let the jury consider their verdict,' the King said, for about the twentieth time that day.

'No, no!' said the Queen. 'Sentence first--verdict afterwards.'

'Stuff and nonsense!' said Alice loudly. 'The idea of having the sentence first!'

'Hold your tongue!' said the Queen, turning purple.

'I won't!' said Alice.

'Off with her head!' the Queen shouted at the top of her voice. Nobody moved.

http://www.gutenberg.org/files/11/11-h/11-h.htm#2HCH0011

 評決ではなく、判決をもって目の前に現れる他者に対して、私は「stuff and nonsense!」と叫ぶことができるのだろうか。

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どうする教育心理学実験

dun (2010年1月21日 13:44)|コメント(0)| トラックバック(0)

 2時間続きの教育心理学実験、1カ月ぶりの授業のため感覚つかめず、大量に作業を残してあえなくタイムアップ。とある保育園の3、4歳児にピアジェの保存課題をやってもらうのだが、とりあえず教示の仕方だけでも確定させることはできたのでよしとするか。

 先方との打ち合わせも不十分。学生の授業実態も把握しておらず、スケジュール調整に難儀している。調整の難しさを予見できなかった自分のミス。けっこう困っている。

 保存課題を説明するのにYouTubeにあがっている下のような動画を用いているのだが、「最後はかわいそうな実験です。子どもはこうして大人はずるいということを知っていくのですね」と言うと必ずウケる。

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よい思い出になれば

dun (2010年1月20日 13:33)|コメント(0)| トラックバック(0)

 土日のセンター試験は大過なく終わり...というわけにもいかなかったようだ。

 ぼくの担当は初日のリスニングの監督補助という比較的責任の小さな役どころのみだったので、昼過ぎに大学に出かけていって、リスニングが終わればそのまま試験関連の仕事も終了であった。

 使い終わったICレコーダを箱に入れて本部に運び込むと、別室で監督をしていた同じ学部の先生がそそくさと部屋を出て行くのにすれ違った。

「どうしたの」
「再開テスト」

 ふと見ると、部屋の隅の机の上に赤いランプがずっと点滅し続けているプレイヤーが置いてあった。故障のようである。受験生にとっても災難だ。

 明けて次の日は朝からこれでもかと言うほどの大雪。JRは止まり(北海道で列車が止まるなんていうのは相当な量の雪である)、おかげで試験開始が1時間ほど繰り下げられたらしい。

 受験生たちはこの2日間にかけているわけで、こうした天災に見舞われることほど本人としては腹立たしいことはないだろう。願わくは数年後、あんなこともあったねえとよい思い出になってくれれば。

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「読み聞かせ」についての特別授業

dun (2010年1月14日 13:25)|コメント(0)| トラックバック(0)

 現在担当している授業に「基礎演習II」というのがありますが、今年はそこで「読み聞かせ」について検討しています。「読み聞かせ」に関心を持っている2年生が8名と3年生が3名の計11名が、論文を読んだり、実際に子どもたちに読み聞かせをしたり、インタビューに出かけたりしています。

 演習の正規の開講期間は今月末までなのですが、今年は特別に延長して、来月2月に特別講義を開きたいと考えています。

 講師には、上士幌町立上士幌中学校の石川晋先生にお願いをすることができました。私などはどうしても研究の領域上、読み聞かせは赤ちゃんや幼児、あるいは小学生向けのものという頭があるのですが、先生は中学校で読み聞かせの実践をされておられるそうです。中学校という場と読み聞かせという実践がどう結びついているのか、ぜひうかがってみたいです。

 当日は、幼児向けの読み聞かせを実際に行ったり、演習のメンバーによる研究発表をしたりと、盛りだくさんのプログラムにしたいと考えています。メンバーには苦労をかけますが、楽しい時間になればいいなと思います。

 日時は2月26日(金)、だいたいお昼過ぎ頃からを予定しています。場所は未定ですが、教育学部棟かその辺りになると思います。どなたでもご参加いただけるような会にしたいと思います。参加費は無料です。ご関心のある方はtito + edu.hokudai.ac.jpまでご連絡ください(+を@に変えてください)。

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安息の地は奈辺にありや

dun (2010年1月11日 13:20)|コメント(0)| トラックバック(0)

 盆と正月に茨城の実家に帰るわけだが、ここ数年困った事態になっている。家にいるとたまらなく目がかゆくなってくるのである。

 おそらくはアレルギーだろうと思うのだが、室内にいてかゆくなるので何かの花粉というわけではないだろう。部屋の中の何に反応しているのかは分からない。数年前にリフォームしたのでその際に使われた化学物質なのかもしれない。

 原因はともかく、安息を得るために帰省しているのにもかかわらず、かえって不快になってしまうのは残念なことである。(もちろん帰省する理由は他にもあるわけだが)

 ではずっと札幌に暮らしていればいいかというと実はそうでもない。ここ数年来、冬になると、乾燥による肌のかゆみが悩みのタネとなっている。特に太もものあたりやひざの裏がかゆくて、気がつくとぽりぽりとかいているといった具合。なにしろ寝ながらかいていたりもする。

 結果として、肌が炎症を起こしてさらにかゆくなり、真っ赤にただれてしまう。去年は服の布地とこすれて歩くたびに痛くてたまらなかった。

 今年は二の轍を踏まないように、もう今の時期から保湿液を足に塗りたくっている。そのせいか、今のところはかゆみはない。

 実家に帰れば目が、札幌にいれば足が、それぞれかゆくなり落ち着いて暮らすことができないとは、難儀なものである。

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ISCAR-Asia 2010開催される

dun (2010年1月 7日 13:20)|コメント(0)| トラックバック(0)

 茗荷谷の筑波大大塚キャンパスにて、掲題の集まりが開催された。

 正月ボケをむりやり吹き払うかのように、朝9時からセッションの開始。夕方の5時半までみっちりとつまったプログラムだった。

 今回の目玉はやはり昼からのワーチの講演会だろう。話のアウトラインはおなじみのもので、ヴィゴツキーの革新性をどのアイディアに見るかというもの。ワーチは、発生的方法、高次精神機能の社会的起源、そして精神機能における媒介が重要なアイディアだとした。

 ワーチがソ連に向かった時、関心があったのは心理学と「言語学」だったのだそうだ。後者の素養が、ワーチの議論のオリジナリティの少なからぬ部分を構成しているように思われる。彼の著作には、言語学の用語が頻出しており、またそれが、分析の鍵となる概念ともなっている。

 心理学における言語の位置づけをもっと底にいたるまで徹底的に考えなければならない。

 この講演会以外にもプログラムは目白押しだった。私は、午前中は教育学のセッションなどをはしごし、午後からは件の講演会と最終シンポジウムに参加。最終シンポは司会としてマイクを持った。みなさん話すことはたくさんあり、結局終了時間から10分のびて閉会。司会の不手際が目立つのみであった。

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池袋にて

dun (2010年1月 6日 13:19)|コメント(0)| トラックバック(0)

 正月4日から茗荷谷でミニ学会があり、それに参加するために3日から東京入り。せっかくなのでいつもの酒友S氏と連絡を取り合い、池袋で飲むことと相成る。

「いけふくろう」で待ち合わせ、とことこと西口へ。駅を出てすぐの小道を入ると、「ふくろ」がある。S氏も「ずっと入りたかったんですけど」という雰囲気ある店。

 がらりと戸を開けるとウナギの寝床のような店内をカウンターが占領する。夕方4時に入ったのだがすでに1階は満席。2階に通されると、そこにも下の階と同じようなカウンターが。こちらはすいていたので、カウンターの長い辺に座る。しかし飲み始めて1時間もするとここもあっという間にいっぱいになった。

 人気の理由は料理の安さだろう。天ぷら、フライのたぐいも1品400円程度。一番高いものでも1000円は絶対に超えない。本日のおすすめとあった、馬刺し、かずのこを頼む。それと、らっきょ、煮込み豆腐、タン炒めも。

 まずはビールを。カウンターの中を忙しく走り回るお姉さんにお酌をしてもらう。おっさん二人はにやけながら。「いやあありがとうございます」「もうこれで今年の運を使い果たしちゃったんじゃないですか」「ははは」

 速やかに次の酒に。S氏は日本酒、私は焼酎を。ホッピー、炭酸をもらって割って飲む。この焼酎が緑色をした1合瓶に入ったもので、ラベルも何もない。瓶を使い回して店の方で注ぎ分けて置いておくのではないか。中身は正しい甲類焼酎である。

 結局この瓶を一人で2本あけたのだが、しまいには床に落ちた箸を拾おうとしてイスから転げ落ちてしまった。飲み過ぎである。

 さんざん飲んで、二人で5500円程度。強烈な安さである。

 2軒目は、店員も客も中国の方しかいない中華料理屋。ここは餃子のたぐいが強烈に安く、焼き餃子5個で150円、水餃子5個で100円だった。二人で紹興酒を1本空ける。

 3軒目はタイ料理屋。ナマズの炒めたのを食べたら辛くて死にそうになった。タイのチャーハンが大変おいしく感じられる。もうこの辺になると水がほしくなってくる。

 4軒目も、中国の方の姿しかない中華料理屋。ここで青島ビールを飲みながら政治談義になる。二人で飲むと必ずなんかのきっかけで「あんたの言ってることは」「いやそんなあんたこそ」と喧嘩になる。気がつくと店には私たちのほか誰もいなかった。

 そそくさとJRの駅に戻り、解散した池袋の夜であった。

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あのサイトはいったいどなたが作ったのでしょう

dun (2010年1月 5日 13:16)|コメント(0)| トラックバック(0)

 という問い合わせをいただきました。「あのサイト」とは、年末に公開された、教育学院・学部公式サイトのことです。

 北海道大学大学院教育学研究院・教育学院・教育学部

 年末年始は実家に帰っていたのですが、管理者として、気になったところをちょこちょこ直していました。CMS化した結果、ブラウザさえあればどこででも修正できるようになったので、楽ちんです。

 さて、こんなすばらしいサイトとシステムを製作してくださった業者さんですが、VERSION2さんという会社です。

 VERSION2

 デザインはGear8さんが担当してくださいました。

 Gear8

 Gear8さんは現在ご活躍中の会社で、北海道新聞のサイト(どうしんウェブ)なんかのデザインをされています。見てみると、確かにどことなく学院のサイトと似ていますね。細かなパーツに面影があります。

 リリース直前には、メールのやりとりや打ち合わせでこちらから相当うるさく注文を出しましたが、嫌がらずに受け入れてくださいました。ありがとうございました。

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あけましておめでとうございます

dun (2010年1月 1日 12:59)|コメント(0)| トラックバック(0)

 旧年中は当サイトをご覧くださいましてありがとうございました。

 本年もぼちぼち更新してまいりますのでご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

 今年の目標は成果を出すことです。

 2010年元旦
 伊藤 崇

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