冬が来る前に

 先日のこと。妻が子を連れて札幌大通公園へ散歩に出かけたとき、小さな羽虫の大群が空中にぷかぷかただよっており、そいつらが子どもの鼻の穴や目に入って大泣きしたのだそうな。

 おそらく雪虫というやつだろう。札幌に来てから初めて知った。この虫が飛んでからしばらくすると、雪が降り出すのだそうな。雪を知らせる虫であるが、服や顔にぺとぺとつくので始末が悪い。

 雪虫が飛んだからというわけではないが、ストーブの準備をした。昨シーズンの残りの灯油を使って試運転をする。夏前に整備に出しておいたせいか、火をつけるとグオーという音とともにストーブ本体が小刻みに揺れるという現象はなくなっていた。よかった。灯油の値上がりが気にかかるが。

 今年の冬は子どもとともに過ごすわけで、ハイハイなどし始めたらストーブのそばに近づけないよう親はいつも気が休まらない。そこでストーブのまわりに置くサークルを買った。これでも安心はできないけどやるべきことはしておく。

 街路樹の葉はもう紅く、スーパーに行けば大根と白菜が野菜売り場の主役に躍り出ている。

 大学では、学生が卒論でそろそろ目の色を変え始めている。

 3度目の冬である。

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