教育学研究のための理論や方法論を学ぶための連続読書会を企画しました。
大学院生・研究生を主な対象としていますが,どなたでもご自由に参加できます。
日時:毎月第3土曜日 13:00-17:00
会場:北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター C302
なお,7月20日のみ,北海道大学教育学部棟 3階大会議室となりました。ご注意ください(6/17追記)。
読むもの:ブリュノ・ラトゥール 伊藤嘉高(訳) (2019年)『社会的なものを組み直す:アクターネットワーク理論入門』法政大学出版会
スケジュール
第1回 2019年 4月20日 企画趣旨説明・序章
第2回 2019年 5月18日 第1部
第3回 2019年 6月15日 第2部
第4回 2019年 7月20日 翻訳者 伊藤嘉高先生 ご講義
社会学領域で常に注目を集めてきた,ブリュノ・ラトゥール自身によるアクターネットワーク理論の解説をこの機会に読みたいと思います。
「子ども」や「発達」といった素朴な心理学的概念に対して,80年代から90年代にかけて社会学的な脱構築が行われてきました。子どもとは生物学的に未熟な,一方的に社会化されるだけの存在だという考え方は社会的に構築されたものであり,むしろ子ども自身は社会的な過程に能動的に関与している,という説明のされかたが普及したのです。
一方で,2000年代に入り,その主導者であったアラン・プラウトは「子ども」なる概念のハイブリッド性に言及するようになりました。すなわち,子どもを未熟・成熟,文化・自然といった二分法的対立のどちらかに位置づけてそれで満足していてはならず,そうした存在が成り立つ複雑な過程に注目しなければならないとされます。アクターネットワーク理論は,その際にプラウトによって援用されています(詳しくは,アラン・プラウト『これからの子ども社会学』(2017年,新曜社))。
そこで,本企画では,アクターネットワーク理論から「子ども」なる存在をどのように理解できるのか検討するための準備として,上記の文献を関心のある方々と輪読したいと思います。
さらに今回,翻訳をされた,新潟医療福祉大学 医療経営管理学部の伊藤嘉高先生を講師としてお招きすることができました。同書を読む過程でどうしても不明な点が出てくると思われますが,それらについて,伊藤先生にご説明をしていただけることとなりました。 実際に翻訳をされた先生からの貴重なお話をいただける,またとない機会ですので,ぜひお誘い合わせの上ご参加ください。 (なお,伊藤先生においでいただけるのは7月20日のみですのでご注意ください。)
ご参加の場合は,あらかじめ 下記のGoogle formより参加申込をお願いいたします。
申込サイト
どうぞよろしくお願いいたします。
なお,本企画は子ども発達臨床研究センター発達支援部門プロジェクトとして開催されます。開催に際して,同センターからの支援を受けています。