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Lave & Wenger (1991) “Situated learning”の「4章だけ」を読む会のお知らせ(終了しました)

各位

状況的学習論の基本文献である,Lave & Wengerの”Situated learning“が出版されて今年で30年となります。

この間,日本では,正統的周辺参加(Legitimate Peripheral participation)や実践共同体(Commuities of Practice)といった概念が状況論の広まりと深まりとともに盛んに取り上げられ,検討されてきました。それもこれも佐伯胖先生が1993年という早い時期に邦訳を世に出されたおかげかと思います。

しかしながら,私(伊藤)個人の経験で言えば,読みやすく理解を助けてくれる邦訳に甘えて原文を中途半端に読んでいたのではないかと反省しています。

そこで,この4月から有志の方々とともに,Lave & Wengerの原文をゆっくりと読む読書会を実施してまいりました。毎週,2時間程度,オンラインで,パラグラフごとに音読していき,書かれた内容とともに「書かれ方」にも注意を払って議論するという集まりです。

7月末までに3章まで読み終えましたが,議論を一段階深める第4章を終えずに読書会を解散するのはもったいない!ということで1~2日でLave & Wengerの「4章だけ」を原文で音読する読書会を企画しました。(書いていてものすごくニッチな企画だと感じ始めました…)

つきましては,一緒に読んでみたいという方がいらっしゃいましたら,ぜひ,8月25日(水)までに伊藤宛(tito@edu.hokudai.ac.jp)お知らせください。

ただし,条件としましては,原文で1~3章をすでに読んだ方,に限ります。ご関心のある方のご参加,お待ちしております。

日時: 8月28日(土) 13~18時
場所: オンライン(参加者希望者にZoomをお知らせします)
もちもの: Lave, J. & Wenger, E. (1991). “Situated Learning”の原書

(文責: 伊藤崇)
(共同企画者: 岡部大介,清田顕子,新川貴紀,津久井文,山﨑智仁 (五十音順))

Lareau & Rao (2020)をゼミで読んでみた

2021年度前期,言語発達論の学部ゼミ(正式には,専門演習Ib/III)では,次の本を輪読しました。

Danby, S., Fleer, M., Davidson, C., & Hatzigianni, M. (Eds.) (2018). Digital childhood: Technologies and children’s everyday lives. Springer.

ゲーム機をはじめとして,現代の子どもたちの周囲にはデジタル機器があふれています。それは日本に限らず,世界的な現象です。さらに,家庭内でのデジタル機器利用に加え,現在は学校でのICT活用が推進されています。

私たち言語発達論ゼミでは,こうした状況を踏まえ,次の問いに迫るプロジェクトを展開しています。
①デジタルテクノロジーの普及した社会における子どもたちの発達をどのように理解すれば良いのか。
②子どもたちはデジタルテクノロジーをどのように理解しているのか。

上記の2つの問いに答るため,伊藤を代表とする科研費のプロジェクトとして,4歳から10歳のの子どもの,家庭におけるデジタルテクノロジー使用実態を明らかにする調査を行っています。

この調査を実施するにあたり,家庭内の子どもの生活を観察することが必要となるわけですが,それをどのように行えばよいのか,調査枠組みの参考とすべく,ゼミの最後に以下の論文を読みました。

Lareau, A., & Rao, A. H. (2020). Intensive family observations: A methodological guide.  Sociological Methods & Research, online first.

伊藤を含め3人で読み,レジュメよりも長い抄訳を作成してみました。著作権的にどうなるかちょっと不安な部分もありますが,ゼミ活動の成果の一つとしてご紹介したいと思います。

Lareau & Rao (2020)の抄訳

取りまとめと修正は伊藤が行いました。すべての責は伊藤にあります。ご批正をいただければ幸いです。